最終確認:2026年10月。

「WordPressを静的化する」とは、WordPressをやめることではありません。執筆・編集・管理はこれまでどおりwp-adminで行います。変わるのは訪問者が受け取るものです。WordPressがPHPとデータベースで毎回ページを組み立てる代わりに、書き出しツールが各ページをHTMLファイルとして保存し、CDNから配信します。

静的WordPressの仕組み

  1. WordPressは編集環境として残ります。一般的なホスティングで動かせ、訪問者のアクセスを処理する必要はありません。
  2. 書き出しツールがサイトをクロールし、ページ・スタイルシート・スクリプト・画像をファイルとして保存し、リンクを公開URLに書き換えます。
  3. 静的ホスティングがファイルを配信します。Cloudflare Pages、Netlify、S3などが、訪問者に近い拠点から届けます。
  4. 公開のたびに書き出し直します。優れたツールは変更のあったページだけを書き出します。

静的化するメリット

  • 速度。近くのCDN拠点から配信されるファイルにはPHPもデータベースも不要なので、どこからでも素早く表示されます。
  • セキュリティ。公開サイトはただのファイルです。プラグインの脆弱性、xmlrpc.php、ログインページは含まれず、WordPress自体は目立たない別のアドレスに置けます。
  • コスト。Cloudflare Pagesは無料プランでも有料プランでも静的ファイルを無料で配信します。
  • アクセス急増。突然の大量アクセスを受け止めるのはCDNで、WordPressサーバーではありません。

単純な書き出しで壊れるものと、その残し方

機能単純な静的書き出し動かし続ける方法
コメント固定され、新しいコメントを投稿できない読み込みも投稿もWordPressのREST APIへ送る
検索検索フォームが問い合わせる先がないWordPressにリアルタイムで問い合わせるか、事前に作った検索インデックスを同梱
お問い合わせフォーム送信しても届かないフォームをWordPressかフォームサービスに送信
WooCommerce価格と在庫が固定され、カートと決済が動かない価格と在庫をライブで読み込み、カートと決済はWordPressに残す
新しい投稿次の書き出しまで表示されない公開時に再書き出し(差分)

Pinery Static Proは最初の4つをWordPressへのプロキシで処理し、公開時の自動デプロイも加えます。別のツールを使う場合は、ドメインを切り替える前にそれぞれの対応方法を決めておきましょう。

あなたのサイトは向いている?

  • とても向いている:ブログ、コンテンツサイトやアフィリエイトサイト、企業サイト、ドキュメント、ポートフォリオ。
  • ライブ機能と組み合わせれば向いている:コメント・検索・フォームのあるサイト、商品ページは静的にしてカートと決済をWordPressに残すWooCommerceストア。
  • あまり向いていない:会員サイト、オンライン講座、フォーラムなど、ログインユーザーごとに内容が変わるサイト。

使えるツール

  • 書き出しプラグインはWordPressの中で動きます:Pinery Static、Simply Static、Staatic、WP2Static。違いは主にデプロイ先と動的機能への対応です。Simply Staticの代替比較をご覧ください。
  • マネージドサービスはWordPressの運用と静的コピーの公開を代行します:ShifterやSimply Static Studioで、月額制です。
  • 自作するならwgetなどのクローラーを使います。小さなサイトなら可能ですが、リンクの書き換え、デプロイ、動的機能はすべて自分で対応します。

手順:WordPressをCloudflare Pagesに書き出す

  1. サイトをバックアップし、パーマリンクが投稿名などの形式になっているか確認します(設定 → パーマリンク)。
  2. Pinery Staticをインストールします。無料プランでも書き出しとデプロイが一通りでき、ページ数の上限はありません。
  3. Cloudflare APIトークンを作成し、権限をAccount › Cloudflare Pages › Editにします。CloudflareのアカウントIDもコピーします。
  4. Pinery Static → Deployを開き、アカウントID、トークン、プロジェクト名を入力して接続テストを実行します。
  5. 書き出す内容を選びます。コンテンツタイプを選び、動的なまま残したいパスを除外します。カート・決済・アカウントのページは初期設定で除外されています。
  6. Export & Deploy to Pagesをクリック。大きなサイトは分割して書き出すため、共有サーバーのタイムアウトで止まりません。
  7. プロジェクト名.pages.devで結果を確認します:ナビゲーション、画像、404ページ、フォーム。
  8. 公開します。Pagesプロジェクトにドメインを追加するか、ProのWorkerルーターで今のドメインを維持し、wp-adminも同じドメインで使い続けます。
  9. 最新の状態に保ちます。変更後に書き出し直せば、編集したページだけが再クロールされます。Proなら公開時の自動デプロイも使えます。

コメント・検索・WooCommerceを残したまま本格的に移行するなら、動的機能を壊さずにWordPressをCloudflare Pagesへ移行する方法をご覧ください。

静的化した後のチェックリスト

  • canonical URLとog:urlがWordPressのアドレスではなく公開ドメインを指している。
  • 静的サイトにsitemap.xmlとrobots.txtがあり、サイトマップをSearch Consoleに送信済み。
  • 古いURLが開ける、または_redirectsでリダイレクトされる。
  • 404ページが本当に404を返す。
  • フォーム・コメント・検索が最初から最後まで動く。
  • WordPress自体が別のアドレスでインデックスされていない。

よくある質問

静的化するとSEOに悪影響はありますか?

URL、canonical、メタデータが変わらなければありません。静的ページは通常速くなるので、むしろプラスです。Pinery Staticは絶対URLのcanonicalとog:urlを書き込み、sitemap.xmlとrobots.txtを生成し、テーマやSEOプラグインのメタ情報と構造化データもそのまま残します。

WordPressのホスティングはまだ必要ですか?

必要です。WordPressは編集する場所として残り、コメント・検索・フォームをプロキシするならオンラインのままにしておく必要があります。ただし訪問者の配信はしないので、控えめなホスティングで足りることがほとんどです。

費用はどれくらいですか?

Cloudflare Pagesはどのプランでも静的ファイルを無料で配信します。Pinery Staticの無料プランはページ数無制限で書き出し・デプロイでき、Proは動的機能・自動デプロイ・同一ドメイン移行のために1サイト$299の買い切りです。

新しい記事を公開したらどうなりますか?

次の書き出しの後に静的サイトに表示されます。差分書き出しでは、変更したページとそれを一覧に載せるアーカイブだけを再クロールします。Pinery Static Proなら公開時に自動でデプロイできます。

出典